倉庫を保管物品によって分類する方法があります。
倉庫を兼ね備えた工場などがあるでしょう。工業製品を製造している工場では、原料を生産工程に搬入する前に一時保管しておく必要があります。こういった倉庫のことを原料倉庫といいます。また、工場では、出来上った製品を出荷する前に保管しておかなければなりません。こういった役割を果たす倉庫は製品倉庫と呼ばれます。生産ラインのオートメーション化か進んできた今日、包装されてベルトコンベア上を流れてきた製品が自動的に.パレットに積まれ、そのまま倉庫まで流れていき保管される自動化された製品倉庫なども増えつつあります。また、工場によっては、原料から製品化されるまでの途中で中間製品を一時保管する場合もあります。このような倉庫は中間製品倉庫と呼ばれています。
倉庫の建物全体を断熱し、冷蔵装置を設備した倉庫があります。冷蔵倉庫は普通倉庫のうちのひとつで、保存混度によってF級、C1級、C2級、C3級と分けられます。なお、Fはフローズン、Cはコールドを表わします。普通倉庫全体の事業者数は、年々、入庫量が減少しているといわれていますが、これに対して冷蔵倉庫の所管面積は年々増えており、入庫量も伸びているといわれています。
倉庫業の中でも、冷蔵倉庫がここまで好調なのはなぜでしょうか。冷蔵倉庫はもともと多額の設備投資が必要なため専業者が強く、企業が持っている自家倉庫と競争をせずにこられたのです。また、専門色が強いということは、異業種からの新規参入企業の数もあまりありません。そういう意味で、冷蔵倉庫は専業者型の物流事業といえます。
倉庫業界で冷蔵倉庫が伸びている理由は保管商品にもあります。冷蔵保管対応の商品(荷物)が増えているわけです。冷凍水産品が半分ほどを占めるほか、畜産物、畜産加工品、農産物、農産加工品、冷凍良品、生鮮水産品、塩干水産物など、冷蔵倉庫が扱う商品は年々、幅広くなっています。最近ではこれまでとくに温度管理しなかった食品や非食品が増えてきており、「温度管理」が物流上のテーマになってきていることを考えると、冷蔵倉庫はこれからの時代、ますますその貴重な役割を求められることでしょう。