倉庫の用途による分類

倉庫を用途によって分類する方法があります。自家倉庫は、各企業が自社の物品(原料、製品)を保管するための倉庫のことです。その建設、保管物品の管理、入出庫などは、自社の管理責任において行なわれます。保管物品が決まっているので、それに適する構造、荷役設備を選ぶことができ、自動化倉庫はほとんど自家倉庫でただ自家倉庫を建設すべきか、営業倉庫を利用すべきかは、保管量とその変動の大小、立地などを考慮して決める必要があります。

倉庫でも自家用倉庫にはいくつかの長所があります。企業の工場または事業所内に立地するものが多く、生産または販売における物資流通過程と保管との間に運搬距離が少ないため、倉庫利用と営業または生産との間の時間的ロスが少ないのは最大の利点でしょう。また、生産や販売の目的に沿って,その適地に倉庫を設置することができます。このほかでは、企業の遊休不動産を倉庫として活用できることも大きなメリットです。

倉庫業法にもとづいて営業の許可を受け、他人の物品を保管する倉庫のことを営業倉庫といいます。自家倉庫と営業倉庫の関係は自家用トラックと営業用トラックの関係と同じです。営業倉庫は一般に多数の荷主を対象とするので、1件当たりの保管量が少なくても、全体の量は多くなり、また、必要保管時期のずれによって保管需要の平均化などもあって、自家倉庫に比べて使用効率が高くなるといったメリットかあります。

倉庫の中でも営業倉庫は全国の主要な場所に存在しており,必要とするスペースによって利用可能です。また、使用した分に対する支払いのみで、費用計算が判然としているため、市場の変化に弾力的に対応できることは利点でしょう。また、営業倉庫は管理者としての作業能力がすぐれており,安心して保管貨物の管理が任せられるのも大きなポイントです。

倉庫の中でも、公共倉庫は、国または公共団体が、公共の利益のために建設したものです。主に海運貨物を扱う港湾に建てられたものが多いのが特徴です。用途による分類では、ほかに保税倉庫と保税上屋があります。これらは関税法に基づいて、税関長の許可を受けて輸出入税未納貨物を保管する倉庫をいいます。上屋は荷さばき、中絶作業などのために貨物を仮置きする施設で、保税上屋は、輸出入貨物を搬入し、通関のため一時保管を行なう建物をいいます。