倉庫の新しい人気形態・トランクルーム

倉庫の中でもトランクルームは営業倉庫の営業形態のひとつです。トランクルームは賃率のスペースを細かく区切り、小口の荷物を預かるものです。倉庫業におけるトランクルームの位置づけは、トラック業界における宅配使の位置づけに似ています。ひとつの理由はその伸び率です。宅配使の伸びについてはいうまでもありませんが、トランクルームの売上規模は年商で1500億円をも超えるといわれています。倉庫業の総売上は年間約2兆円ですから、その占める位置は非常に大きいものがあります。

倉庫業全体において、トランクルームで特に驚かされるのは、その営業面積の増加です。平成元年が約33万平方メートルといわれていますが、現在はその3倍以上まで増加しているというのが一般的な統計上の数字です。バブル経済がはじけた後でも伸び続けているという点では、これも宅配使に似ています。小口の荷物の保管需要が増えたことや、企業が荷物を小分けにするなど、自らの保管場所を削っていることなどが急成長の背景にある原因と考えられます。

倉庫業において、トランクルームは消費者倉庫などといわれていることも大きな特徴でしょう。都心などの一般家庭が居住空間の狭さから、シーズンオフで使わないものなどを預けるとき使うものと、一般的に考えられていますが、実際、トランクルームの顧客の80パーセント以上が企業であるのです。

倉庫でもトランクルームに預けられているものは、約60パーセントが磁気テープで、次いで家財道具の20パーセントと続きます。この家財道具にしても、実は海外転勤に伴う企業からの預かり物であるケースが多いようです。ほかには書類、毛皮、美術品、骨董品、衣類、ピアノなどがあります。書類以外のものは、家庭からのものより、そうした専門店などからの委託が多いようです。

倉庫のひとつにトランクルームというものを企業がまず認知したのは、さまざまな物品を抱え、細々としたものの一部でも預けたいというニーズがあったからにほかなりません。しかし、最近では都心部などで圧倒的に増えてきているように、その利用方法は一般家庭にも急速に広く知れ渡ってきました。どうしても居住スペースに限りのあるマンションなどに住んでいる人にとって、トランクルームは利用しない手はありません。こういった流れはますます加速していくと考えられます。